俺様とネコ女
複合機の前で、カラーコピーや両面コピーの仕方、スキャン方法などを教わりながら課長と雑談。
雑談と言っても、内容はもちろん仕事の話題。社内のルールや専務の話が主だ。課長のこの緩い感じ、ちょっと和む。
「毎年8月に、1課の中から1人だけ5年間の東京本社勤務に選ばれるの。選ばれたら将来約束されたも同然。名誉なことなんだよ」
「そうなんですか」
「赤澤くんが結果残してて急上昇中だけど、まだまだ若いからね。あ、赤澤くんわかった?さっき電話してた子。でも今年は山本くんでほぼ決定」
「赤澤さんって入社何年目ですか?」
「5年目かな?今年26・・・27かな?」
よかった。本当の年、教えてくれたんだ。そう思うとちょっと救われた気がした。
あら?と何を感じ取ったのか、課長が顔を覗きこんできた。
「上野ちゃーん。赤澤くんは激戦だよ?」
「そんなのじゃないです。あの、違います」
困ったように微笑む課長に心が締め付けられる。モテる上に社内恋愛しないんでしょ?
スタートラインにも立てないってこと・・・分かりたくない、納得行かない。
そんなのイヤ。