秘めた恋

hua

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エレベーターが事務所のあるフロアに到着すると
私は降りてトイレへと向かった。

するとそこで森さんと鉢合わせになった。

「あ、お疲れ様です。」

彼女は私の存在に気づき、可愛い笑顔で挨拶をすると
私の横を通り過ぎようとしたので私は思わず振り向き、
彼女に声をかけた。

「先日のあれだけど・・・」

「え?」

彼女は、何事かと思ったのか驚いた表情で私の方を振り向いた。

「先日、誰かと一緒に外車に乗ってなかった?
裏にあるタクシー乗り場で見かけたんだけど・・・。」

そう言うと向こうは思い出したのか、あぁあと間延びした声を上げ

「はい、男性と一緒にいました。営業のオオハシさんです。」と応えた。

「営業のオオハシさん?」

「はい。私が体調不良だと言ったら彼が実家から車を手配してくれて
私を送ってってくれたのです。(さすがに本当のことは言えない)」

「そうなんだ・・・。」

私は少し考えると「営業にそんな人いたかしら。」と独り言のように
つぶやいた。
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