一秒の確信
一秒の1「わたしは子供」
どうしようもなく、楽しい筈の15歳。
高校受験などお構いなしの僕には、何かもっと新しい刺激を欲しがっていた。

周囲は、
「黙っていても楽しい筈だ」

と僕に投げかける。
年上の友人達と、不良グループの仲間達。

楓と麻子の出会いが始まる。

麻子「ねぇ、面白い友達とか居ないの?」

「麻子にとって面白いかどうかは解らない。でも…」

麻子「でも?」

「彼の発言や行動は、私には理解出来ない。」

麻子「紹介して。」


唐突に麻子と名乗る女から電話があった。


楓「何…ってゆうか誰?」

麻子「あの子から番号教えて貰ったの。いいでしょ。」

勝手に教えんなと思ったと同時に発言に止まってしまう自分自身が気持ち悪かった。

楓「うん。あの子と同じ地域?」

麻子「そうだよ。因みに同じ学校。そんな遠くもないよ。」

遠いって。
電車で何時間かかるんだ。

楓「麻子の価値観では近い?」

麻子「あはは。そうでもないって。すぐだよ、すぐ。ねぇ、恋人は?どんな人が好き?」

僕は答える。
見知らぬ女に唐突に問われるまま。

楓「可愛い子はあんまり好きじゃない。」

麻子「へぇ。可愛い子よりも、どっちかって言ったら綺麗な子の方が好きなんだね。ね、今好きな人は?」

楓「前の学校の、ソフト部のエース。カッコイイんだ。」

麻子「スポーツね。あたしは無縁だわ。」

楓「そうなの?じゃあ単車は?」

麻子「全く興味ない。」


不愉快だ。
15歳にして、ヤンキーの楽しみ方も知らないなんて。
そして何より「あたし」って妙に鼻につく。

楓「何して遊んでんの?」

麻子「看護職目指すの。」

楓「動機は?」

麻子「ない。家から離れたいだけ。楓君だってそうでしょ。バイク乗るのね。」

楓「そうさ、気持ちいいんだよ。」

僕は嘘をついた。
自分で運転した事なんてない。

それから暫く放置した。
彼女の電話も何度か無視した。
でも何故か今日は出てみたかった。

麻子「なんかあったら連絡してって言ったのに全く来ないね。」

楓「俺に干渉したって何も利益ねーから。」

麻子「ウソツキ。」

彼女は笑いながら言った。
僕は答える言葉が見付からない。

麻子「あ、でもなんとなく解る。楓君って人気者でしょ?だからあたしに構ってる余裕なんかないってか。」

ちょっと待って。
僕にとっては新鮮だったからもう少しだけ、話をしてみたいと思った。
言葉が下手くそで何話して良いか解らない。

望「あ、いや…なんてゆうか…麻子みたいな人初めてだから。」

麻子「そんな事ないよ。あたしはどこにでもいる女だよ。」

楓「…は…?」

電話越しに伝わる微笑み。
君になら
何でも話せる気がしてしまった。

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