Classbook



ピンポーン


質素な音が、袴田君がくることを知らせてくれる。



「はいはいはいはい」


ちょいまちー

いまいくからなー

そんなに長くない玄関までの道のりを無駄に時間をかけていく。

もう一回チャイムが鳴ったのも気にしないで。


ガチャっ


「…おせーよ」

「…」


ちょっとキレ気味の袴田君とご対面―

すいませんねー

ちょっと、久々に袴田君に会うから心の準備をしてたんですよ!!

そこをわかっていただきたい!


「…何黙ってんの?早く、部屋に入れて」

「…」


無言でうなずいて、袴田君を家の中に入れる。

なんだか、袴田君がここにいるっていう変な感覚。


別に、初めて、袴田君がここに来るのが初めてだというわけではないんだけどね…



…この部屋も2人だとだいぶ狭い。


それに、袴田君がいるという安心感で眠気が…急激に襲って…






< 110 / 117 >

この作品をシェア

pagetop