続:first love~世界で一番素敵な初恋~


私が母の姓を名乗っていたのは、お母さんが私の記憶を思い出させないようにする為。


その必要が無くなった今、私はお母さんに頼んで姓を佐倉に変えてもらった。


例えお父さんが目の前に居なくても私たちが家族だということは変わらない。


だからお父さんと家族だということの証を無くしたくなかったのが理由。


朝食を食べ終わると、私は日課であるお父さんの仏壇の前に座った。


「………お父さん、私は今日で高校3年生になるんだよ。
あれから11年……………思い出すのが遅くなってごめんね。
お父さんに守ってもらった命。
これからはお父さんの為にも自分のことを責めたりしないからね。」


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