秘密のドアが開く
「....私っ」


「あーーっ健真
はっけーーん!」


春川君の友達達が来た



「おはよー
無事でよかったよかった」


「って、うわっ城ヶ崎さん!!」


よく、考えれば私


続きなんて言おうと.....


「つーか聞いたぞー
お前昨日牧田のこと家に連れ込んだらしーじゃん」


牧田さん?





「連れ込んだって....」


牧田さんも顔を真っ赤にして焦ってる


やっぱり牧田さんは.....



「変な冷やかしやめてよー!

まだ、あたしと健真は.....」



「まだってことは時間の問題なのかー?」

言わなくてよかった


言ってしまったら取り返しのつかない.....


私は....そんなこと口にしていい立場じゃないんだ。


「ごめん城ヶ崎なんか言いかけ....」


「別になにも
私こーゆー空気苦手だから」


いつもの私で居てよ


感じが悪い


嫌な女でいてよ


嫌な女で私はいいんだから

だって.....



「待って」

急いで学校に行こうとしたら


春川君から腕を掴まれた



「話し終わってないの俺の方だった
コレ、また、同じもんってしょぼいけど」

それは、あの日くれた


カラオケ屋の割引券



「今度は俺が店で出る時に使って
待ってるから....」




...../////


こんなの.....


もらったってもう......



「城ヶ崎さん」


それは牧田さん



「あの....ちょっといい?」



私はいつだって誰かの障害物で


「ごめんね」

「え」

なんで、牧田さんが謝るの?


「ほら、こないだ噂をうのみにして
あたし城ヶ崎さんに失礼なこと言っちゃったでしょ?」




「....あたし1年の頃からずっと健真の事好きで勝手にライバル意識しちゃって....」


「でも、城ヶ崎さんみたいな人が同級生の男子に本気になるわけないよね」


いつも


私の気持ちは【本気】と認めてもらえない



「じゃあ、学校でー」


そう言って手を振る牧田さんに何も言えなかった


もう、考えるのもやめよう.....


なんのために私は扉を閉じていたのだろう



こういうことがないためだろう.....


ピリ.....

さっき春川君からもらった

割引券を破こうと思い

手にかけた時


「.....っ!」


割引券の裏に春川君の字で


【絶対来いよ!】の字。



その瞬間一気に春川君とのことが

脳裏を駆け巡る



......どうして気づいちゃったんだろう


あの言葉の続き....



まだ、その辺りを歩いている


牧田さんの元へ行き


「牧田さん私っなんとも思ってなんかない....
私も春川君のことがちゃんと本気で好きだらか」


「牧田さんごめんなさい」


また、傷つくだけかもしれない


いつもみたいに諦めて

扉の内側で悪態ついて自分を守ってる方が安全だってわかってる




でも、本当はずっと

素直な自分になりたくて.....



「はっ、春川君っ」

さっき歩いて行った春川君の後を急いで追いかけた



振り向いた春川君はすごく驚いた顔をしていて



心はもうずっと前から春川君の方を向いていたのに....


「どうしたの?城ヶ崎」


こんなに走ったのも久しぶりだ。


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