見つめられない
言われて、はっとした。

自分のことばかり、傷つくのを避けるだけになっていた。

ぶつかる。相手と向き合う。

そういうのは一切していなかった気がする。



「愛美…。直感信じていいのかな?

嫌われたと思ってたけどさ。

もしかしたら…まだ間に合うかもって思ってもいいかなぁ…?」

「もちろん。なにうじうじしてんのよ。

そんなんじゃそのうちなめくじにでもなるわっ。

…いまは、とりあえず前を向いて歩く必要があるんだからね。」


…そうだよね。なめくじのくだりはひどいけど…
まだ、なにも始まってないんだもんね。

「ほら、歩。とっととそのうどん食べて仕事戻るわよ。」

はっとすると、とっくに愛美の日替わり定食がすっからかんになっていた。

慌てて残りのカレーうどんを食べて、
私たちは持ち場に戻った。
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