恋は盲目〜好きって言ってよ

彼の足が数歩でベッドへ戻ってくるとあ

っと言う間に私の手を掴み、有無も言わ

さないと言う勢いでお風呂場へ直行する

と蛇口をひねると勢いよくお湯が出てき

た。

シャワーを頭からかけられ抵抗する。


「俺がシャワー浴びてるうちに、帰るつ

もりだった⁈」


そんなこと考えてなかった…


首を横に振り、彼を見つめる。


「そうだよね。ずっと一緒にいたいって

奈々ちゃんが言ったんだよね」


確かに、本心から思っていたけど何か言

葉が違うような気がする。


「だから、どこへ行くのも一緒だよ」


唇に触れる彼の唇が反論しようとする言

葉を奪っていった。


お昼過ぎに彼が電話で頼んでくれたピザ

を一緒に食べる。


昨日の夜から、何も食べずに彼との情事

に溺れていたのだ。


「美味しい…お腹空いてたこと忘れてた




「ヘェ〜、それだけ俺に夢中だったって

ことだよね。うれしいな」


恥ずかしくなることを平気でいい満足そ

うに笑う彼。


先ほどまで彼の腕の中で乱れていた自分

が頭の中をよぎる。


恥ずかしくて、彼の顔を見れない。


きっと、彼にはお見通しなのだ。


だから…


「奈々ちゃん、顔赤いよ」


手の甲で口を押さえ笑い声を我慢してる

彼が目の前にいる…


もう、本当にこういう時は意地悪だ。


恥ずかしくて、居られない。


「…もう、帰る」


立ち上がり、玄関に向かう。


「その格好で帰るの⁈」


下着の上から彼のシャツを一枚羽織って

いるだけの私。


立ち止まり浴衣を取りに戻ると慌てる彼

が私の手から浴衣を取り上げる。


「駄目だよ。今日は、一緒にいるって言

っただろう」


帰るつもりはなかった…意地悪な彼を困

らせたかっただけ…


「そうだけど、1日、拓海さんの部屋に

いるの?」


意地悪な拓海さんも好きだけど優しい拓

海さんも好き。


考え込み、笑みを浮かべる彼。



「そうだね、デートしようか⁈まずは、

奈々ちゃんの着替えが必要だよね。その

格好でデートしたらお泊りした事ばれち

ゃうよね」


きっと、私の考えなんてお見通しなのだ

。赤面する私の反応を楽しんでクスクス

と笑う。


浴衣を着て簡単に帯びを結ぶと彼の車で

自宅へ連れて行ってもらい車の中で待っ

ててと言う私の言葉に彼は反論する。
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