恋は盲目〜好きって言ってよ

そんな目で見つめられたら離れられない

もっと一緒にいたいと欲が出てしまう。


「拓海さん、迷惑じゃない⁈せっかくの

お休みなのに私がいたら休めないでしょ

?」


「なんで、そう思うの⁈一緒にいたいか

ら言ってるんだけど…まぁ、奈々ちゃん

が望むなら休めなくても大丈夫だよ」


また、意地悪な笑顔になる。


「で、どうする⁈オプション付き…俺の

部屋に来るよね」


すがるような表情から有無も言わさない

力強い眼力に私の心はきゅんとしてしま

う。


これも好きになってしまった者の弱みな

のだろうか?


断る理由なんて見つからない。


「拓海さんの部屋に連れて行って…」


「それじゃ、明日の準備しておいで…車

で待ってるから」


「…た、拓海さん一緒に来ないの?」


「うん、ここで待ってるよ。部屋の中を

あまり見られなくないんだろ」


あまり見られたくないのがばれていたら

しい。


「……うん、直ぐに来るから…」


鞄に必要な物と彼から借りたスウェット

も鞄に詰めて彼の待つ車に急ぎ向かう。


車に寄りかかり、空を眺めてタバコを吸

う彼の姿に見惚れてしまった。


こんな素敵な人と夜を過ごす自分を他の

女性からみれば羨ましい存在なのだろう


だけど、欲深くなってしまった私は彼と

一緒に過ごすだけじゃ足りない。


彼の1番として側にいたい…


どうすれば、あなたの1番になれるのだ

ろう。

ーー
ーーーー
ーーーーーー


彼の部屋



鞄の中から彼のスウェットを取り出し彼

に渡す。


「捨ててなかったんだ…俺も渡したい物

があるんだ」


先ほど雑貨屋で買っていた袋を渡される


「なに⁈開けていいの?」


「奈々ちゃんにプレゼント…開けてみて




袋を開けるとジャラっと音がして中から

出できたのは雑貨屋で見ていたポンポン

玉のキーホルダー。


それには鍵がついている。


「これって?」


「奈々ちゃんのだよ。いつでも来てほし

い…」

彼の部屋の鍵…


嬉しくて涙が溢れてくる。


「もらっていいの?」


彼の気持ちを確かめたい。


「当たり前だろ…俺の…」


俺のなに⁈


「俺の部屋に入れるのは奈々ちゃんだけ

だよ」


やさしく抱きしめる彼の腕…


私は、1番ほしい言葉を聞けずに彼にお

ちていく。


好き…大好き。

私を好きだと言って…


嬉しいはずなのに心はサイレンを鳴らす


欲を出してはいけない。


そう、始まったばかりなのだから…


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