恋は盲目〜好きって言ってよ

「自分で考えなさい。私は、自分の事で

一杯一杯なんだから」


途中になっているパスタを口に運びなが

ら、飯島さんにメールする早希。


煽っておいて置いてけぼりですか⁈


どうすればいいのよ〜。


早希を一睨みして、黙々と目の前のオム

ライスを口に運ぶ。


どうしよう…


この鍵って彼女って言う意味なのかな⁈


それとも、御飯作ったり掃除したり時た

まエッチする女が欲しかっただけなのか

な⁇

いろいろ思考を巡らせ気づけば閉店の音

楽が流れ始めた。


今日はこの後どうしよう…


拓海さんに連絡して部屋で待っていても

いいのか聞こうかな⁇


いろいろ考えて、最終的には自分の部屋

に帰ることにする。


やっぱり、怖くてまだ聞けないよ。


早希みたいに積極的になれたらいいのに

な。


部屋に帰って熱いシャワーを浴びて雑念

を洗い流し冷蔵庫からビールを取り出し

一気に喉に流し込む。


フッ〜


今日、一日中拓海さんの事ばかり考えて

いて仕事中も上の空で花村さんに怒られ

てしまった。


公私を区別して仕事に集中しなきゃ…

また、花村女史に嫌みを言われる。

気をつけないと…‼︎


いろいろ考え過ぎて、食欲もでない。

このまま寝ちゃおうっとベットにダイブ

する私。


ドスン…


電話の着信音が鳴り画面は拓海さん。


どうしよう…まだ、決意できてないよ。


半泣き状態の私は画面とにらめっこ。


しばらくすると着信音が切れメールが入

る。


(なんで鍵渡したのに部屋に来ないの⁇

連絡待ってる)


これってどういう意味⁈


期待してもいいの⁈


着信無視しておいて、なんて言い訳する

の⁇


長い間考えて出した答え。

(ごめんなさい。今日は疲れて帰ってその

まま寝てしまっていたみたいで、今気が

つきました。部屋にお邪魔する時は、連

絡しますね。おやすみなさい)


これで大丈夫よね。


送信ボタンを押すと直ぐに返信が返って

きた。


(今、起きてるんだよね。奈々ちゃんの声

が聞きたい。電話して)


胸の奥がキュンと音をたてる。


勇気を出して拓海さんに電話をかける。

(トゥルル〜)

「もしもし、奈々ちゃん」


「拓海さん、遅くにごめんなさい」

「なんで謝るの。声が聞けて良かった」

電話の向こうから優しい拓海さんの声が

聞こえて、ホッとする。
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