恋は盲目〜好きって言ってよ

「早希ちゃん、奈々連れて帰るからこい

つよろしく」


飯島さんを顎で指し奈々の手を繋ぎお店

を出る2人。


驚いている奈々は終始されるがまま言葉

もなくついていった。


そんな2人を眺め早希はため息をついて

いた。


お店から大通りまで出てタクシーを拾い

車中、繋いでいた手をそのままで2人は

言葉を交わすことなく手の温もりを感じ

ていた。


奈々は、まだ信じられないと何度も拓海

見る。


奈々を安心させるように拓海はぎゅっと

繋いだ手を握った。




拓海の部屋の中


ソファに座る拓海さんの横に座ろうとす

る私を自分の膝の上に乗せ横に抱きしめ

た。


びっくりする私を無視して先程とは違う

笑みを浮かべる。



「約束をやぶったお詫びは何⁇」

今、それ⁇


私が聞きたいのは先程耳元で囁いてくれ

た言葉なのに…


あまりにも突然すぎて……本当かともう

一度確かめたい。


「んっ⁇」


顔を覗き私の言葉を待ってる拓海さん。


「お店で言ってくれた事って本当⁈」


顔をしかめる拓海さん。


「お詫び…は⁇」


頭の中を早希の言葉が過る。

(キスとか、好きって言えば)


拓海さんの首に腕を絡め唇にそっと重ね

る唇。


一瞬、目を大きく開く拓海。


でも直ぐに意地悪な笑みにかわる。


「これじゃダメ⁈」


恥ずかしがる奈々。


「こんなんじゃ足りない…責任とれよ」


奈々の頭部を押さえ込み、あっという間

に奈々の唇を堪能する。


息つく間も与えられず、意識が薄れてい

くとふわりと体が浮いた。


拓海さんにお姫様だっこされて寝室に向

かう扉を開いている。


そっとベットにおろされ、覆い被さると

首筋にチクリと首に走る痛み。


「俺のものっていう印な…」


口角を上げニヤっと笑う拓海。


「約束通り、今から証明してやるよ。覚

悟して…」


俺様発言のくせに優しいキス。


甘いセリフを囁くのに好きとは言わない

拓海。


もう、好きだと言う言葉なんていらない

……こんなにも愛されてるんだから…

拓海の首に手を伸ばし、深くキスを求め

る。何度も何度も、愛を確かめるように

2人はキスに夢中になった。


身体を重ねた後、微睡む中で聞こえた声

「奈々、好きだよ」


愛する人の告白だった…
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