ワールズエンド×××
プロローグ
只今ほかのサイトに転載中です。
始まりはマイナス。 ゼロよりも下。
だって自分には何も無い上に[何も無い]から……
見知らぬ白い大理石の天井と、その天井から垂れ下がってる小ぶりのシャンデリア。カチカチ煩く時を刻んでいる壁掛けの時計。白いシーツにフカフカの暖かいベッド。羽毛布団。石造りのオフホワイト色した壁と知らない部屋。雰囲気。
それらの知らない物だらけの中で目が覚めた。
ここがどこなのかもわからないし、どこから来たのかも覚えていない。極めつけに[自分の名前]すら浮かんでこない。
空っぽの頭。
いや[空っぽ]は言い過ぎた、ひとつだけあった頭の中に……”ハクロ”と云う言葉が。
……白炉(ハクロ)?……なんだこれ?
大事な、大事な言葉のような気がして、ほぼ空っぽの頭の中をかき回してかき回してほじくりかえしてみたのだが、無駄だった。無い物をかき回してもほじくり返しても空をつかむだけなのだ。砂でも掴めたらまだましだったんだけど……
「これだけは絶対に忘れてはいけない」
そうどこからともなく言葉に囁かれてる……いや、感覚的には[脅されている]に近いかもしれない。
首筋にナイフを突きつけられながら「この言葉をお前が忘れてしまった瞬間、喉元にコレが刺さって死ぬよ」
なんてハクロと云う言葉の中にそんな意味がある気がして……なんとなく、羽毛布団から手を出して首筋を人差し指で触ってしまう。 何もあるはずないのに。
そんなナイフなくっても、絶対に忘れない。忘れられない言葉。 だけど、忘れない為にも……
[ハクロ]
そう名乗ることに決めたんだ。
はじまりはゼロ。
始まりはマイナス。 ゼロよりも下。
だって自分には何も無い上に[何も無い]から……
見知らぬ白い大理石の天井と、その天井から垂れ下がってる小ぶりのシャンデリア。カチカチ煩く時を刻んでいる壁掛けの時計。白いシーツにフカフカの暖かいベッド。羽毛布団。石造りのオフホワイト色した壁と知らない部屋。雰囲気。
それらの知らない物だらけの中で目が覚めた。
ここがどこなのかもわからないし、どこから来たのかも覚えていない。極めつけに[自分の名前]すら浮かんでこない。
空っぽの頭。
いや[空っぽ]は言い過ぎた、ひとつだけあった頭の中に……”ハクロ”と云う言葉が。
……白炉(ハクロ)?……なんだこれ?
大事な、大事な言葉のような気がして、ほぼ空っぽの頭の中をかき回してかき回してほじくりかえしてみたのだが、無駄だった。無い物をかき回してもほじくり返しても空をつかむだけなのだ。砂でも掴めたらまだましだったんだけど……
「これだけは絶対に忘れてはいけない」
そうどこからともなく言葉に囁かれてる……いや、感覚的には[脅されている]に近いかもしれない。
首筋にナイフを突きつけられながら「この言葉をお前が忘れてしまった瞬間、喉元にコレが刺さって死ぬよ」
なんてハクロと云う言葉の中にそんな意味がある気がして……なんとなく、羽毛布団から手を出して首筋を人差し指で触ってしまう。 何もあるはずないのに。
そんなナイフなくっても、絶対に忘れない。忘れられない言葉。 だけど、忘れない為にも……
[ハクロ]
そう名乗ることに決めたんだ。
はじまりはゼロ。