白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


柊と付き合ってまだ日が浅く、緊張することがたくさんある。


しかも、付き合うなんて、初めての経験だ。


こういう時に感じる恥ずかしさをどうやってごまかしたらいいのかわからなくて、ただただ赤面してしまうんだ。


みんなの視線を感じながらふたりでいるのも緊張するし、だからと言ってふたりっきりになるのは、もっと緊張して心臓が爆発してしまう。


あたし達は、肩を並べて正門を出る。


溶けては降ってを繰り返す雪が、あたし達の歩く速度を遅くさせる。


あたし達の住んでいる地域の冬はとても長い。


一年の半分は雪に覆われているんじゃないかって思うほど。


それは言い過ぎだけど、本当によく雪が降るんだ。


ザクザクザクザク。


歩道の端にはまだ踏まれていない雪もあり、そこをわざと歩くと軽快な音が鳴る。


あたしも柊も雪の音を楽しみながら楽しく帰った。


柊の鼻と頬が寒さで赤くなっていて、とても可愛い。


あたしは、お気に入りの真っ赤なマフラーに顎まで埋める。


たまに、柊が雪をあたしにかけてきた。



< 113 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop