白い恋の結晶~キミへと続く足あと~


柊がこの町を去るのは、3月27日。


時間だけが、無常にも過ぎていく……。


3学期の修了式が終わった。


柊とハルとは、距離を置いたまま。


ハルとこんなに長く話してないのは、初めてだ。


3年生でクラス替えがあればいいんだけな……。


春に掲示板で3人の名前を見つけたときは、3年まで同じクラスだってかなり嬉しかったのに……。


あの時は、こんな風に喧嘩をするなんて思ってもいなかった。


今までのハルとの喧嘩はただの口喧嘩だったしね……。


これはやっぱり、何も行動に起こせないあたしの性格が悪いのかな。


だから、こうやってみんなとの関係が悪くなるのかな……。


春休みに入って、すぐに柊は出発だっていうのに、あたしはずっと部屋に閉じこもったままだった。


それなのに、スマホはずっと手に持ったまま。


「……はぁ。何やってるんだろ、あたし」


ベッドにタイブしてうつ伏せのまま、深くため息をついた。

ずっと枕に顔をうずめていると苦しくなったので、顔だけ横に向ける。


目の前には、真っ黒な画面のスマホ。


手を伸ばしてラインを開き、柊とのトーク画面を見る。



< 267 / 297 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop