LOVEPAIN


「一晩中、腕枕してくれていたんですか?

腕痛くないです?」


今さらだけど、遠慮するように頭を少し浮かせた




「大丈夫…」


私の口に髪の毛が噛んでいたからか、

成瀬がもう片方の手を私に伸ばして
その毛を絡め取る




「成瀬さんの指、
長くて綺麗ですよね」


私に触れるその指を捕まえて、
成瀬と比べると小さく細い私の指で撫でる




「指、そうか?
じゃあ、気持ち良かったか?」


そう言って笑う成瀬に対して、
その言葉で夕べの事をフラッシュバックのように思い出した私は、

赤面してしまう




「――それは、成瀬さんだってよく分かってるんじゃないですか?」



「何?その返し?

確かに、お前ぐちょぐちょで」


クククっ、と、腹筋を揺らして笑われる




「恥ずかしいから、そんな事言わないで下さいよ」


そう言った声が少し泣きそうだったからか、
成瀬は笑うのを辞めて、
ごめん、と口にした





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