君としてるのは恋じゃなくて。




鏡に映る自分の頬をなぞる。



なぞった軌跡に涙がこぼれた。










違う。




これは嘘だ。





遥は私の彼氏じゃない。




私は遥の彼女じゃない。




そんなこと

最初から分かってたはずなのに。




分かってる前提で頑張るって決めたのに。




遥は私を好きにならない。

絶対に。




泣くなんておかしい。



でも……




「……うっ……うぅ……

あたしバカだぁ。

遥が私を好きになってくれなきゃやだよ。

見てよ。


私を見てよっ……」





こぼれ続ける涙は行き場をなくして、

地面に落ちた。



それを拭ってくれる手は

ない。











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