君としてるのは恋じゃなくて。
「……帰るか。」
「…………。」
「芹……」
うつむきながら止まっている芹を何人かの生徒がチラ見していく。
とりあえず花壇がある人目につかない方へ連れて行った。
「……オイ、大丈夫かよ……」
「ん……っ、ウッ……」
うつむく顔から涙がポツリポツリと地面に落ちる。
失恋してから初めて泣いたんだろう。
肩を震わせて、声を出さないように泣いていた。
「芹……」
「ううっ……っフッ……」
こういうときの気が利いた慰めかたも知らない。