だいち、






マックを後にして外に出ると、先程よりも空が暗くなっていた。



「少し急いで帰ろうか」




折りたたみ傘なんて便利なもの、持っているわけがない。


速足で帰ることにした。

ここから家まで、ほんの少し距離がある。
それまでに降らなければいいんだけど。








────暫くして、あたしの頭にポタッ、と何かが落ちてきた。




「...雨だ」





そのまま段々と雨が降って来て、あたしたちはすぐ近くの公園で雨宿りをした。


ここの公園は、家からそう遠くないんだけど。



「うわー。だいぶ雨強いな」


「暫くここで雨宿りしとこう」


「だな」




屋根のあるベンチに、息をつきながら座った。


雨の音が響いて、どこか違和感のある世界に包まれたみたい。







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