最悪から最愛へ
気持ちばかりが焦るが、何も思い浮かばない。誰か、助けて…心が悲鳴をあげる。


「じゃあ、紺野さん。よろしくね」


「お客様、お待ちください。うちの紺野がなにかしましたでしょうか?」


「店長」


「えっと、店長さんだっけ?」


やっと峻が現れた。山口は敵意を剥き出しにした表情をする。


「はい。店長の青田です。ちょっと聞こえたのですが、紺野によろしくとは何のことでしょうか?」


休憩室から事務室に戻ろうとしたところで山口の姿が見えて、急いで駆け付けた。最後の言葉しか聞き取れなかったことが悔やまれるが、何とか間に合いそうだ。


「別に店長さんには関係ないことだよ。紺野さんと約束しただけだからね」


「どのようなお約束を?」


「そんなこと教えるわけないだろ」


客は偉い。客は神様だ。強く言いたくても言い切れない。だけど、従業員を守るのは店長の役目だ。

渚だから、絶対に守りたい。
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