最悪から最愛へ
就職難の時代に大学を卒業して、ラックスストアというスーパーに入社した。ここを第一希望にして、試験を受けたのではない。

希望の業種は別にあった。しかし、全て落ちた。仕方なく別の業種を受けたのだが、受かったのがここだけだった。


一応、店舗数の多い大手のスーパーだが、「大学出て、スーパーに就職だなんて…」と親に嘆かれた。渚自身も同じ思いがあった。

でも、入社してからその思いは偏見だったと気付く。

スーパーという業界は、渚の想像よりも奥が深かった。この職場で働くことにやりがいを感じて、頑張ってきた。

頑張った成果が認められ、3年前にレジ部門のチーフという役職につくことが出来、朝日町店に配属となった。

職場の人間関係もそれなりにうまくいっていた。峻が店長として、配属されてくる半年前までは…。


「あー!本当にむかつく!」

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