うつくしいもの

「――曲に乗せたらここの歌詞が余るから……。

あ!じゃあ、こうしよう。
この“会いたかったから”を“会いたいから”にしていい?」


優雅は私の書いた歌詞をシャーペンで、

上から訂正する




壁に据付けられた机で、
私達は壁に向かって横並びで座る



時々、肩と肩がぶつかる事が気になったが、

次第にそれも気にならなくなる



それくらいに、
私も優雅も真剣にその作業に取り組んでいた




一度、二度、そんな時間を過ごすうちに私と優雅は仲良くなって来て、


三度目には、
作業が終わった後に食事に誘われた




食事と言っても、

軽くファミレスで夕食を食べただけだけど




そして、その時は仕事や音楽の事を忘れて、

世間話




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