うつくしいもの
「菜々花はボーカルでバンドの顔だし、
女の子だからいいんだよ?」
その事を話すと、
優雅はそう当たり前のように笑い飛ばした
「そうかな?」
私は腑に落ちないような気持ちになるけど
かと言って、
優遇されている私が
それは変だとしつこく騒ぐのもおかしい
「――俺の親、俺よりも兄貴ばかり可愛がってて」
ふと、その話の流れで、
優雅はそれを口にした
私の部屋で、
ソファーに座る私の膝を優雅は枕にしている
「それで、涼雅が嫌いなの?」