うつくしいもの

「話しても、埒があかない。
本当に何も無かったかどうかなんて、当人同士にしか分からないでしょ?」



「――本当に、何もないのに……」


他に言える言葉がなくて、
そう繰り返してしまうだけ




優雅はソファーから立ち上がると、
寝室に入って行った



暫くすると、ギターケースと、
大きなトートバッグを持って出て来た



トートバッグには、詰めれるだけ荷物を詰め込んだからか、
大きく膨れている



< 238 / 373 >

この作品をシェア

pagetop