うつくしいもの

「あっ、俺なんか、
楽しくやってる所を邪魔したみたいで、すみません。

俺、どうかしてたみたいで。
ちょっと、優雅に嫉妬して変な事言ってしまって」


涼雅はそうやって苦笑すると、

楽屋を出て行った




それと入れ代わるように、

寺岡さんが楽屋に入って来た




「みんな、お疲れさま。

特に菜々花、凄く良かった」


そう言って寺岡さんに笑いかけられて、

この場に居る事が苦しくなって来た



みんな傷付いている



涼雅も優雅も、私も



准一や仁志だって、

私が知らないだけで何か苦しみを抱えているかもしれない




この場所に居る事が、

苦しすぎるよ――…


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