うつくしいもの



明け方に、優雅が帰って来た




「菜々花、起きてたの?

疲れてるんだから寝てたらいいのに」


ソファーに座ったままの私の頭を、撫でてくれる


顔を上げると、

私よりもずっと優雅の疲れた顔が目に入った




「テレビ消すけど?

見てないでしょ」


優雅はリモコンでテレビを消すと、

私の横に腰を下ろした




テレビ画面には
通販の番組が映っていたけど、

全然目に入っていなかった



もしかしたら、
涼雅の事がニュースか何かで流れるかもしれない



そう思いテレビをつけていたけど



ニュースで流れる程の、
大きな事故じゃないみたい



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