うつくしいもの
マンションから出てすぐに拾ったタクシーで、
F公園へとやって来た
そこは、それほど大きな公園ではないからか、
すぐに涼雅の姿が目に入った
涼雅は公園のベンチに腰かけて、
アコースティックギターを弾いている
近付いて行くと、
そのギターの音だけじゃなくて、
歌声もハッキリと聴こえてくる
今も、その歌声に一瞬で魅了される
今の季節はとても寒い
特に今日は一段と冷え込んでいて、
雪が舞っている
真っ暗な中、
外灯に照らされて
雪がひらひらと地面に落ちる
涼雅の息が白い