BEAST POLICE
「そうはいかねぇんだよ…」

夜の歌舞伎町。

バスソルト売買の現行犯としてナイジェリア人の男二人組を路上にねじ伏せる巽の姿があった。

彼は手錠でガードレールに男の片手を繋いだ後。

「逃がすか」

逃げた片割れの方も追跡する。

まだ曲がり角を曲がったばかり。

巽の足ならばすぐに追いつく。

猛然と走り、男の背中を捕まえようとした巽は。

「ギャッ!」

ナイジェリア人が出会い頭に膝蹴りを食らい、嘔吐しながらその場に蹲る姿を見る。

彼を悶絶させたのは。

「!…お前…」

咥え煙草のまま無表情に佇む鬼首だった。

「意外だな…お前が警察に協力するとは…」

一触即発の雰囲気。

対峙する巽に。

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