BEAST POLICE
それでも猪瀬は、まるで恐れる事はなかった。

「そないな事よりお前ら…俺の舎弟にならへんか?」

あまつさえ敵である巽と鬼首を、傘下に収めようとする。

「その腕っ節、度胸…チンピラの寄せ集めの小さい組で、お山の大将張らせとくには勿体無いわ…俺んとこ来てみぃ、京阪神連合歌舞伎町支部を任せたるし、盃も交わしたる…若造でも、実力があればええ扱いしたるで?ウチは実力至上主義やさかいのぅ」

「ふざけんな、俺ぁ刑事だぜ?」

巽が言うが。

「ほなら警察内部の情報を京阪神に流す役目をくれたるわ。いわゆるスパイっちゅう奴やな」

猪瀬は笑う。

そんな彼に。

「断る」

巽は言ってのけた。

「くだらねぇ京阪神連合の代紋より、桜の代紋背負ってる方がまだマシだ」

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