BEAST POLICE
「知った風な口きいてんじゃねぇよ」

パシッと環の頭を叩く巽。

「痛っ」

「ナマ抜かしやがったお仕置きだ」

巽は歩き出す。

「社会見学はこんなもんでいいだろ…さっさと帰れ。タクシー乗り場までは送ってやるから」

「はい」

パタパタとローファーの音をさせて、環は巽の背中を追いかける。

「巽さん巽さん」

「あぁ?」

「自慢していいですよ?人気グラビアアイドルの向井 環とキスしたんだぞって」

「しねぇよ…妄想激しい男だと思われるだけだ」

「じゃあ夜、ベッドの中で、一人で思い出してニヤニヤするんですか?」

「俺は童貞の中学生か」

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