BEAST POLICE
「猪瀬、根津の目的は一体何なんだ?」

巽が問い掛ける。

脱獄か。

金か。

それとも何か他の目的なのか。

「目的なんか…多分あらへん…」

猪瀬は首を横に振った。

「アイツは…世の中を憎悪しとる…三十人殺し以来、この世に希望なんか何も持ってへん…目に映るもの全員を殺して回る…アイツは典型的な破滅主義者や…反省もせず…後悔もせず…世の中をメチャクチャにして回りたい…それだけの奴なんや…」

呼吸が荒くなり、やがて弱まっていく。

「おい、猪瀬…猪瀬!」

鬼首の呼び掛けも空しく。

猪瀬は、そのまま息を引き取っていく。

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