晋太郎〜in パリ〜
デラシネの旗
パリ滞在3日目。

皆は、「ベルサイユ宮殿ツアー」に出発。

個人的に行きたい場所。

五木寛之作品。

「デラシネの旗」

"デラシネ"とは。

フランス語で"根無し草"という意味。

その舞台。

"エコール・デ・ボ・ザール"

"パリ美術学校"

・・・

1968年。5月。

反ドゴールの拠点となった学校。

パリ5月革命。

・・・

夏休み中なので門は固く閉ざされている。

校内改装中。

パイプの足場が見える。

風がなく、トリコロールの三色旗がしなだれている。

門前の道路は、当時、石畳だった。

学生が投石に使った為、アスファルト舗装。

かつての面影はない。

近くに食堂がある。

レストラン"ボ・ザール"。

安いコース料理を注文。

スープに虫が入っている。

ボーイを呼ぶ。

ケ・ス・クセ?

"これは何?"

"ノープロブレム"

悪夢の一夜が蘇る。

この言葉が英語で一番嫌いになった。

・・・

帰り道。

ある教会が目に留まる。

サン・ジェルマン・デ・プレ教会。

ちょっと疲れた。

教会の中へ。

礼拝席に腰掛ける。

ステンドグラスのキリストが微笑む。

癒やしと静寂。

心休まるひと時。

キリスト教とヨーロッパ。

その歴史は古く長い。

・・・
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