ずっとずっと、好きでした。【短編】
恋の終わる音

恋が恋であるうちに




いつの頃からだったんだろう。



いつから私は先輩に惹かれて、いつから好きだったんだんだろう。





「……こんなこと、今さら考えても意味ないのに」


先輩は律子と付き合っている。


それを考えただけでまた涙が溢れそうになる。




これから先、私は先輩とどう接していくんだろう。


いっそのこと、部活辞めちゃおうかな。



……なーんて。


「そんなこと、出来るわけないのにね……」


私はクラリネットが好き。


そして、先輩のことも好き。




だから部活は辞められない。





「考えても仕方ないよね……」


今日はもう寝ちゃおう。


それで、また明日から考えよう。





「……おやすみなさい」


誰もいない部屋に、私の声が響いた。





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