seasons.(シーズンズ)【完】



本日から待ちに待った夏休み突入です。

とは言え、僕達は仮にも受験生。

金沢が補習を頑張っているように、僕も試験に向けて学力向上を目指さなければいけないわけでして。

僕はとある駅近くにある、塾の夏期講習会に参加することになっていた。

しかも夏休み初日から早速と言わんばかりに講習があるので、勉強好きの僕でもさすがにヘコみます。

ですけどこれがのちに実を結ぶのであれば、切磋琢磨して学問に励みますよ。

――そう、僕には目標があるのですから。

償いという意を込めた目標が……。


「……あれ、進藤くん?」


炎天下による猛暑の中、汗を拭いながら向かった先には見慣れた顔があった。

白い日傘をさしてバスを待つ米澤さんだ。


「偶然だね。お出かけ?」

「ええまぁ。講習会ってやつです」

「講習……もしかして駅近くの塾の講習?」

「そうですけど、米澤さんは?」


疑問を抱いた僕に米澤さんは、自分は元々その塾の生徒で講習は強制参加であると答えた。

なるほど。どうりで成績優秀なわけです。
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