seasons.(シーズンズ)【完】



待ちに待った修学旅行当日。

東雲中学校三年生一向は長々と特急車両に揺られたのち、貸切バスで紅葉の美しい街並みを走っている真っ最中だった。

実行委員の俺とナツが企画したモノマネ大会では、シゲの先生シリーズに車内は爆笑の嵐。

プチカラオケ大会ではナツの相変わらずの歌唱力はもちろんのこと、意外にも上手かった宮ちゃんの演歌に一同魅了されたりと楽しいひと時を過ごせた。


『えー、こちらの通りは夜になりますと紅葉ライトアップが行われ、特に右手に見えますあちらの広場ではたくさんの観光客で賑わうそうです。春で言うお花見のようなものですね』


初っ端からはしゃぎすぎたせいか、バスガイドさんの話をさえぎる者はいなかった。

隣のC組は美人なお姉さんガイドだったというのに、俺達D組のガイドはベテランのおばさんで、多くの男子が嘆いていたのは内緒だ。

バスが到着した先では俺には理解できないような芸術的工作研修が行われ、その後すぐ近くのホテルでちょっとリッチな夕食、そのまま宿泊。

こうして一日目はあっさりと終了。

あっさりと言ってもそれなりに色々あったりはしたが、あえて内容は省略させて頂くぞ。

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