seasons.(シーズンズ)【完】
*冬香side 


「冬香、僕は君のことが好きです」


急に静かなところに呼び出されるなり告げられた、あっくんの胸の内。

夢じゃないかと思った。

というより、私はこれが夢であってほしいと願っていたのだろう。

そうじゃなければ苦しむのは自分だから。

迷いが無かったと言えば嘘になる。

あっくんの告白を受けて、まず初めに考えさせられたのは夏枝ちゃんの存在だった。

もしここで私があっくんの気持ちを受け入れてしまったら?

何度も考えたことがある通り答えは見えている。

愛情を選んだがための代価として崩壊する友情。

迷えば迷うほど、私の未来図は真っ黒に塗りつぶされていった。
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