糸-ito-

私の父

ー実沙sideー

…一週間前…

「実沙っー!起きなさいっ!朝ごはんできたよっー! 」

リビングからいつものように母の声が聞こえてきた。

「もうちょっと。あと5分…」

「だめっ!」

母は寝室に入ってきて私が被っていた布団を取り上げた。




私の家の一日の始まりは、5時半。平日だけだけど。



「おねえちゃん、いつまで寝てるのー?」

幼稚園生の妹の里沙はとっくに起きていた。

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