あの日のナミダ



「みーんな、はよ。」
さっきの話から暫くして、久遠 陽斗ークドウ ヒサトー(通称 ヒサ)が遅れてやって来た。

「お前、毎回毎回来んの遅ぇ。」
「また、昼過ぎまで寝てたの??」
「いい加減にしろよ。」
こいつは毎日遅れて来るから、皐月、浩介、俺の順で冷ややかな視線を向けて、そう言葉を投げ掛けた。


「だって今、春じゃん?
眠くなんだよ。」
「お前、それ季節関係なく言ってんじゃん。
いい加減、もっとましな言い訳ねぇの??」
あまりにも毎回似たような言い訳をするから、もう俺と浩介は呆れ返って何も言えねぇ。
皐月は毎回言い返すけど。


「まぁ、良いじゃん?」
「お前、いい加減幹部外すぞ。」
「それはヤダ。
で、今日は何かあった??」
「はぁ…毎回2回も同じ話するの面倒くさいから、今度からもうしないよ。
今日が最後。
今日、秀太が学校で知り合った子を気に入ったらしくて、明日連れて来るから俺らも気に入ったら、姫にするって事くらい。
喧嘩は今のとこなし。」
ヒサに浩介は黒い笑顔を向け、釘をさして簡潔に説明した。

「まじ?
人間嫌いのシュウが女気に入るとか珍しいじゃん。
まぁ、俺は厳しく判断するから。」
「一応訂正しとくけど、気に入ったとかじゃなく、気になるだけだからな。
まぁ、あいつなら大丈夫だろうよ。」
俺は少し笑みを浮かべながらそう言った。






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