ヤンデレなら、病んで下さい!

「そういえば、雛。去年の夏、熱中症患者が過去最多だったわね。その内の何人かは雛に救われたわけね」

「救っただなんて、大丈夫ですかって冷たいものをあげただけだよ」

「内一人は、救急車で運ばれる重症だったんだから、救ったに違いないわよ。思い出すわね、何故か救急車に同乗しちゃって、『紅葉ちゃん助けて!知らない病院(場所)に連れてこられて、帰れなくなったーっ!』と号泣して、電話してきたことを」

「言わないでっ、恥ずかしいよっ」

顔から火が出そう。紫暮さんに恥ずかしいこと聞かれてしまったと反応を窺えば、何故だか顔を伏している。

「し、紫暮さん?」

顔を見せられないほど、笑われている!?

「作り話なんでしょー」

「悪意のニヤニヤ顔で言わないでもらえるかな。そうだよ、作り話だ。作り、話で」

「ロマンチックな話でしたね」

「……」

「真に受ける天然がとどめを刺す、と」

「いいんだ。雛はもう、俺なしじゃ生きられないようだから」

頭に手を置かれる。結婚式の誓いのように、見つめられた。

「俺が死んだら、雛も来てくれるってことだろ?」

「は、はい」

聡明な笑顔で即座に返事をしてしまった。
真向かいの紅葉ちゃんは、娘はやらんと叫んでいるけど。

「紫暮さんのこと、大好きですから」

何があっても、愛し続けます!


 
< 35 / 35 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:75

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

物語はどこまでも!

総文字数/142,710

ファンタジー141ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
聖霊の出現により 平和になった世界。 人々の娯楽の一つに、絵本の物語を体験出来るアトラクションがあった。 上位聖霊ブックが運営する図書館『フォレ スト』。そこで働く司書補の女性は、それはそれは有能であると皆が口を揃えて言う。 と、言うのも。 「はい?ヘンゼルとグレーテルがお菓子の家に飽きた?ならば、しばらくせんべいの家にしましょう。しょっぱいのに飽きたら、またお菓子の家です。 は?湖に落とした斧がなかなか見つからない?泳いで探すのだるい?ならば、湖の規模を干上がらせて縮小しましょう。北風太陽の太陽さんを派遣します。 ……、タバコの吸いすぎで肺活量がなくなり、わらの小屋すらも吹き飛ばせない?こっちは北風さんを派遣してほしい?それはタバコをやめろおおおぉ!」 個性豊かな絵本の住人たちが起こす問題をテキパキと処理する女性司書補、雪木(そそぎ)。 彼女の苦悩は毎日尽きることはないが、それ以上の苦悩にして、彼女の有能さを証明する最たるモノがーー 「雪木は大変だねぇ。本のワガママなんかを聞いてさ。いっそ、全部燃やそうか。そしたら、俺のことをもっと構ってくれるよね!」 「目を輝かせながら残酷なことを言わないように!」 聖霊が一人に惚れられた女として、彼女は今日も仕事に励むのだった。
異常と呼べる愛を孕んで、君に吐き出し、自殺しよう

総文字数/14,543

恋愛(その他)18ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
俺の愛し方は異常だと言われた。 恋人は閉じ込めてはいけないらしい。 外に出したら危険だと言うのに。 恋人を監視し続けてはいけないらしい。 見続けていたいほど愛しい存在だと言うのに。 恋人は独占し尽くしてはいけないらしい。 俺は彼女以外の存在は要らないと言うのに。 束縛をしてはいけない。強要をしてはいけない。同じ愛を求めてはいけない。 わがままも駄目だ。甘えすぎても駄目だ。重い、鬱陶しい、面倒くさい。やがてそれらが嫌いに繋がるらしい。 俺の愛し方は異常だと、言われたんだ。 「それでも、きっと。俺は君を好きなままなんだ」 正常でなくなるほどにーー
どうしようもないほど、悪人で

総文字数/12,052

恋愛(その他)12ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
彼は、悪だ。 騙しもした。 盗みもした。 殺しもした。 どうしようもないほど、 すくいようがないほど、 手がつけられないほど、 責めたくなるほど、 罰したくなるほど、 殺したくなるほど、 彼は、紛れもない悪だった。 「飯、食わなきゃ死ぬぞ?」 「まずそう」 「んなことねえよ。お前が前の飯の時も『まずそう』って言うから、わざわざここいらで一番の金持ちの家襲ってきたんだ。ほら?豪華だろ?」 「まずそうです」 「美味いのになぁ」 そう言って、悪人は無理やり私の口に食事を押し込む。 私を生かすため。 曰わく、悪人の『恋』を生かすために。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop