イジメから始まる物語
テンコウセイ

次の日学校に行くと何故かクラスが騒ついている。

俺は適当に側に居た女子に聞いてみた。

「なぁ、なんでこんな騒ついてんの?」

「ふぇっ⁉︎あぅ、えっと、今日はて、転校生がこのクラスに来る、みたい、で…」

「ふーん、ありがとな」

「え?」

「教えてくれて」

「あ…う、うん…」

「今大神と喋ってなかった?」

「うん…」

「大丈夫⁈なんもされてへん⁈」

「大神くんって意外と普通なのかもね〜


「は?」

「なんでこんな騒ついてんの?って聞かれて答えたらお礼、言われたから」

「そか。」

何俺そんなに怖がられてんの皆に。

眼つき悪いけど、無愛想だけど、無口だけど俺なんもしてねぇし。

「ほらほら席に付いてぇや!今から転校生紹介すんでぇ!

入って」

ガラッ

扉を開けて入って来たのは1人の男子。

「初めまして、三崎 聖夜(ミサキ セイヤ)です。

よろしく」

三崎は如何にも万人受けしそうな顔で明るい茶髪が特徴的だった。

…俺達は園田の異変に気がついていなかったんだ。

この時気付いておけば、あの嵐は防げたかもしれなかったのに…





「ねぇねぇ、なんで聖夜くんはこの学校に来たの?」

「何処から来たの?」

「彼女はいるの?」

休み時間になると瞬く間に囲まれた三崎。

「なーんかアイツ、気に食わないなぁ…

じゃなかった、気に食わねぇ。」

「俺と居る時くらいは普通に喋れば?」

「そーしよっかなぁ…」

「あれぇ?もしかして、美希?」

「聖夜…」

「やっぱり!じゃぁ、佐倉もいんの?」

「居るよ…」

「何処?」

「ねぇねぇ、聖夜くん、あんまり佐倉さんに近付かないほうがいいよ…」

「あ、佐倉?佐倉だよな⁈久しぶり〜覚えてる?同じ中学だったんだけど」

「あ゛?誰だてめぇ」

「あれ?佐倉だよな?すんごい雰囲気変わったなー」

「てめぇ気に食わねぇ、喋りかけんな」

「連れないなぁ…

美希、俺お前を探してココに来たんだ。

あの時は悪かった。

…なぁ、またやり直そう」

「あの2人どーいう関係?」

「元恋人」

ガタッ!

園田は立ち上がると三崎に返事を返さずに教室を飛び出して行った。
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