俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


「平瀬さん、わたしが編集長を好きでいることは、いけないことじゃないですよね?」

そう言う早川さんの目は真剣そのもので、亮平を想う気持ちが、痛いくらいに伝わってくる。

「うん。いけないことじゃない。恋愛は自由だもの」

ヤキモチが全くないかと言えばウソで、また一つ、心配事が増えた気がする。

それでも早川さんの気持ちを、受け止めたかった。

「良かった。これで堂々と片想いが出来ます。それと、話は変わるんですけど…」

「何?急にテンションを下げて…」

やめてよ、やめてよ。

嫌な話?

声をひそめる早川さんに、わたしは息を飲む。

「実は、兄のことで…」

「あ、修司さん?そうよね、あれからどうなったの?気になってはいたんだけど」

なんだ、修司さんの話か。

大袈裟に声をひそめるんだもん。

驚いたじゃない。

すると、早川さんはいたって真面目な顔で言ったのだった。

「実は沙耶さん、正式に婚約解消を申し出て…」

「え!!ホントに?凄いじゃない!」

これで、修司さんの気持ちは報われたわけだ。

どれだけ喜んでるだろう。

「実は、そんな呑気な事を言ってる場合じゃないんですよ」

「どういう意味?」

「相手の人がカンカンで。あのホテル、お兄ちゃんの会社の取引先でもあるので、契約解除になる勢いで…。それでお兄ちゃん、今日から会社を謹慎処分になってるんです」
< 210 / 246 >

この作品をシェア

pagetop