俺様編集長サマにLOVE NONSTOP!


繁忙期には、会社に寝泊まりする編集長。

それは、2日でも3日でも続き、間違いなく自宅には戻っていないのだ。

オフィスの隣には小さな仮眠室があり、いつしかそこは編集長のプライベートルームになっていた。

誰も入ったことがないから、中のしつらえは分からないけど、お風呂なんてついていないのは分かる。

夜中まで仕事をして、朝になり部屋から出てくる編集長は、お風呂に入ってないんじゃないかと噂されているのだ。

それだけじゃない。

着替えもしていないんじゃないかと言われる始末で、誰も真偽を確かめたことがない。

その為に、女子社員から人気がないのだった。

「香水で誤魔化してるのよ。編集長って、常に香水の匂いがするじゃない?」

「す、するけど、そういう意味じゃないわよ。本当に、身だしなみに気をつけてるだけだってば」

必死でフォローをするわたしを、弥生はわざとらしく同情的な目で見た。

「あばたもエクボね。香乃子って、けっこうキレイな顔してるんだから、もうちょっとマトモな人を見つけた方がいいわよ?」

「何よ、それ」

口を尖らせた時、編集長の怒号がしたのだった。

「平瀬!ちょっと来い!」
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