センセイの好きなもの
「先生っ!起きてください!朝ですよ」



何の反応もなく、スースーと規則正しい寝息が聞こえてくるだけ。


「先生、もうみんな出勤してきますよ。起きてください。大先生に叱られますよ」


更に揺さぶってみるけれど、やっぱり無反応。
ダメだこりゃ。
このまま放っておいて、掃除が終わったら起こそうか。

そう思って手を離そうとしたら、ものすごい力で腕を引っぱられて前のめりに倒れた私は、巧先生の胸に顔面をぶつけてしまった。



「痛っ…」


「おぉー、ツムか。よしよし」



巧先生は寝ぼけまなこのまま私の頭をわしゃわしゃと撫でる…というより、ぐしゃぐしゃにしてくれた。
ただでさえ扱いにくい髪なのに…。
なぜストレートパーマをかけないかって?
多少の寝癖もごまかせるし…セットいらずで簡単だから。



「離してください。朝ですよ!起きてください」


「うーん…」


抜け出そうともがくけれど、男の人の力には敵わない。巧先生はギューッと抱きしめてくる。く、苦しい…。


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