極道一家のマヤ



そうだ、美都場と春野は…



『園田桜は特別だよー』



つい数刻前の、杏奈の言葉が頭をよぎる。





桜は…彼らの一目置かれる、


大切な幼なじみ…。






「さく、ら…」



そばまで来て…


ようやくふたりは私の腕の中で倒れている、桜の存在に気づいた。



「桜!!」


春野が私から奪うようにして桜の肩を抱く。


「おい、桜!!しっかりしろ!!」


こんな必死で誰かを心配するような…大声を上げる春野は見たことがなかった。


普段爽やかで、落ち着いた彼からは全く想像ができないくらい…








< 339 / 581 >

この作品をシェア

pagetop