極道一家のマヤ



「その噂…全校内に広まってるわけ?」



「うん。かなり有名」



はあ~…最悪。



発端はあの日一緒にいた女たちか…。



美都場と春野がそのときのことを他人に言いふらすとは思えないし。






「んで、本当なの?」



「…。」



杏奈の言葉に、私は小さく頷いた。



同時に大きな目を更に見開く杏奈。



「うわ~、まじなんだ。つーかあんたやっぱり『嵐』と関わりあったんだね。でもなんで?最初のあたりはかなり気に入られてた感じだったじゃん」


最初の頃とは、転校してきた初日に『嵐』のメンバーと初めて話したときのことを言っているのだろう。



「あの美都場くんと春野くんを怒らせるとか…そのとき屋上で何があったわけ?てかあんた、園田 桜をいじめてたって本当なの?あ、あとあと!あんた前に『嵐』のメンバーになりたがってたんだって!?」



答える前に次々と無遠慮に杏奈が質問を投げつけてくる。



同時に私は眉をしかめた。










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