極道一家のマヤ



「ハア、ハア…」



長く続く道を…



「クソッ…!」



オレはひたすら走っていた。



名も知らないあの女と別れてから…軽く1時間以上は走り回っている。通り過ぎる町の住民からは何事かと見られ、息をひどく乱してまでオレが今すぐに会いたいのは…たったひとりだけ。



桜でも…ましてや『嵐』の仲間でもない。



こんなに全力で誰かを探しまわるのは初めてだった。





「ちくしょ…あいつ、どこいんだ…」



マヤに会うため、オレが最初に向かったのは学校だった。



だが、帰りのホームルームが終わってからもう2時間近くは経っている。委員会や部活をしていない限り、あいつがまだ学校に残っているのはほぼゼロに近い。







< 424 / 581 >

この作品をシェア

pagetop