極道一家のマヤ



床に落下している、『龍の証』を拾い…


―ガシャ…!


オレはそれを、龍の目の前へと投げつける。





オレはこいつを一度裏切った。



本来ならもう、こいつのそばにいる資格はない。けど…



突き放したからこそ、もう二度と突き放さないと決めた。



自分勝手なことを言っているのは十分の承知だ。



でも…



世界中の誰にも…絶対にこいつはわたさない―・・








オレはマヤの肩を強く抱く。



「美都場…」



瞬間、マヤと視線が合った。



オレはとっさに目をそらす。






ああ、しまった…



龍とガキみたいにこいつを取り合っている場合じゃない。まずは…こいつに謝らねえと…








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