極道一家のマヤ



目の前で…穏やかな笑みを浮かべる美都場。



それを見た瞬間、


―ドキッ…


心臓がバカみたいに跳ね上がった。






ダメだよ、美都場…



そんなふうに、優しく笑われたら…



私、期待しちゃうから…



『嵐』の仲間に、入れてもらえるんじゃないかって…



だけど、今は何よりも…桜が意識を取り戻してくれたことが嬉しかった。



「体の具合は、もう大丈夫なの?


「退院はまだ無理らしいけど…体のケガ自体は、順調に回復しているらしい」




「ほんとに?」


思わずそう、聞き返そうとしたときだった…。









「…ふざけんじゃねえぞ。嵐」




背後から突然…



ドスのきいた、低い声が聞こえてきたのは…。












< 437 / 581 >

この作品をシェア

pagetop