極道一家のマヤ



もしかして、マヤを探し回っているとかいう連中のことと何か関係があるのだろうか?


一旦、ごちゃごちゃした頭の中を整理してみることにする。




縁を切ったはずなのに、突然マヤの前に姿を現していたお兄さん……


そのお兄さんとどこへ向かったのか、走り出して行ってしまったマヤ……




もしかして……


マヤは、社家の家に戻ったのではないだろうか?


お兄さんが、今さらマヤを連れ戻しに来たってこと?


……ってことは、マヤを探してたって輩は社家の人たちだったの?


「あーもうわかんない!!」


頭の悪い私がひとりで考えていたって、そんなことわかるわけない。


「どうしよう、とりあえずこのこと龍に電話して……」


最後に見たマヤの哀しげな目を見れば、いい展開でないことは安易に想像できる。


私は一体どうしたらいいのか……龍なら、きっと教えてくれる。


スカートのポケットから携帯を取り出し、すぐに幼なじみである彼へと電話をかけようとしたときだった。







「谷川!」







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