あなたを愛する者
コンビニから学校までの、数分の距離。
まさかこんな話が聞けるなんて、思わなかった。
今までの井関の印象が変わる。
井関の意外な一面。
「ぷぷっ……」
思い出すと笑っちゃう。
申し訳ないけど、そのくだらない名前のエピソード。
堅苦しくて、いかにも真面目そうで、苦手だった井関が、私の中で少し変わった瞬間。
もう完璧遅刻。
でも、ま・いっか。
「井関、走るよー」
私は井関の前に出ると、笑顔で学校へ向けて走り出した。
いつもとは違う
5月の朝。