あなたを愛する者
この人は私に嫌がらせをしているのか!?
と、思うことも多々あった。
そんな時、頭に浮かんだのは……。
「井関先生いらっしゃいますか~?」
広々とした職員室に、大声で叫んでみる。
「杏、こっちこっち」
井関が、相談室と書いてあるドアから顔を出し、手招きした。
初めて手紙をもらった時、無意識に井関に手紙を訳してもらっていた。
このことを知っているのは、ミカと井関。
そして井関なら、難しい英語も解る。
まぁ……ラブレターを他人に簡単に見せてしまったのだから、私も相当失礼なヤツなんだけど……。
だからこそ、もう井関に頼るしかなかった。
「今日の手紙、お願いしまーす」
いつものように、英語で書かれた手紙を井関に手渡した。